スペイン不動産、史上最高値:2024年住宅市場について
📈 スペイン住宅市場、かつてない高騰
スペインで家を買うのは、いまや「人生最大の挑戦」と言われるほど。
2024年の終盤、スペインの不動産市場は急加速し、住宅販売数と価格の両方が同時に史上最高水準に達しました。
スペイン登記協会(Colegio de Registradores)が発表した最新統計によると、
住宅価格は前年より12.5%上昇し、1平方メートルあたり平均2,164ユーロに。
これは、2007年の不動産バブル期をも上回る水準です。
🏗️ 新築 vs. 既存住宅、どちらも値上がり
2024年の価格上昇は、新築物件・既存物件の両方に見られました。
国立統計研究所(INE)の分析によれば:
種類 | 平均価格(€/㎡) | 年間上昇率 | 備考 |
---|---|---|---|
新築物件 | 2,265ユーロ | +約12% | 過去最高値を更新 |
既存住宅 | 2,039ユーロ | +3% | 安定上昇、需要継続 |
とくに新築物件の価格上昇が顕著で、都市部では1㎡あたり3,000ユーロを超える地域も出始めています。
💶 住宅ローンも過去最高水準に
価格の上昇に伴い、住宅ローンの契約件数も大幅に増加しています。
2024年第4四半期には、123,897件の住宅ローンが締結され、前年比13.4%増と2011年以来の最高記録となりました。
しかし同時に、1件あたりのローン額も増加傾向にあります。
住宅ローン負債額は7四半期連続で上昇し、1㎡あたり1,542ユーロに達しました。
つまり、「ローン件数も増えたが、借入額も増えている」状態。
金利の影響も相まって、購入者の負担は確実に重くなっています。
🏙️ なぜ価格がここまで上がっているのか?
主な要因は以下の3つが挙げられます。
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都市部での住宅不足
バルセロナやマドリードでは、新築供給が需要に追いついていません。観光需要もあり、投資目的の物件購入が進行中。 -
外国人バイヤーの増加
欧州各国や北欧、特に英国人・ドイツ人などが地中海沿岸に別荘を購入するケースが再び増加。 -
建設コストの上昇
賃金・資材費の高騰が、新築住宅の販売価格に反映されています。
🏡 移住・留学者への影響は?
不動産の高騰は、「家を買う」だけでなく「借りる」人にも影響しています。
住宅価格の上昇に連動して家賃も上昇傾向にあり、
特にマドリード・バルセロナ・マラガ・バレンシアでは、ワンルームで月1,000ユーロ前後まで上昇しているエリアも。
そのため、留学生・ワーホリ・リモートワーカーの多くが、
✅ 郊外エリアのシェアハウス
✅ 中長期滞在型アパートメント
✅ サブリース(短期貸し)
などの代替策を選ぶ傾向が強まっています。
🔍 今後の見通し
専門家の多くは、「2025年も価格上昇は続くが、ペースは緩やかになる」と予測しています。
理由は以下の通りです:
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金利の上昇が続いており、ローン負担が限界に近づいている
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新築プロジェクトの供給が徐々に追いついてきている
-
一部地域では価格の天井感が見られる
ただし、人気の高い地中海沿岸(マラガ・アリカンテ・バレンシア)や島嶼部(バレアレス諸島・カナリア諸島)では、依然として価格が上がり続ける可能性が高いと見られています。
✍️ まとめ
スペインの住宅市場は、**2007年を超える“第二の不動産ブーム”**に突入しています。
価格高騰の波は止まらず、住宅購入・賃貸どちらにとっても厳しい局面ですが、
市場を理解し、エリア選びを工夫すれば、まだ現実的な選択肢はあります。

早めに滞在先を確保したいですね。
📚 出典・参考資料
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Colegio de Registradores de España(スペイン登記協会)
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Instituto Nacional de Estadística (INE)
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EURO WEEKLY NEWS – Spain’s Property Prices Hit Record Highs (2025)
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